■本屋イベントの運営を実際に見ながら、業界内構造問題を考える。
6/5(月)の19:30より、4月に『ユートピアとしての本屋 暗闇のなかの確かな場所』(大月書店)を上梓した、千葉・幕張の「本屋lighthouse」の店主・関口竜平さんをお招きし、店主が聞き手となり、トークイベントを開催します。
この本は、日頃から差別やヘイトにはっきり「NO」を表明している個人運営の新刊書店店主が、本屋という「終わりのない営み」について綴った「本屋論」ですが、店主は同業者あるいは当事者として、この本に大きく啓蒙されました。これはいわゆる「本屋本」の枠を超え、もっと広く大きくいまこの社会に蔓延る差別や人権侵害の問題に本屋の視点/立ち位置から切り込んだ本ということで、広く訴求されるべき本だと捉えています。
今回のトークイベントテーマは、この本の内容から派生した「本屋イベントの実際」から考える、出版業界の構造問題です。
関口さん本人の言葉より。
<本屋でのトークイベントが本屋の収益源となり、かつ「当たり前」のコンテンツになりつつある昨今。しかしその裏側にはさまざまな負担があり、それを誤魔化すための搾取が生じてもいる……。特にひとりで運営している本屋の場合、その搾取は本屋自身に向かうことにもなるし、当然、その歪みは登壇者やお客さんにも悪影響を与えている。
たとえば先日アップされた高井ゆと里さんのブログ(https://yutorispace.hatenablog.com/entry/2023/02/22/004952) には、非常に耳が痛い指摘がなされている。とはいえひとり本屋のスキル・体力・店内環境には限界があり、これらのすべてに応えることは難しい(高井さんもそれを望んでいるわけではない)。
しかし、反差別・反搾取や風通しの良さをポリシーに掲げる本屋としては、これを「そんなこと言われても無理なものは無理なんだから仕方ないじゃん」なんて開きなおりたくない。どうにかして「誰もが安心・安全な状態で参加できる」環境・場所を作りたいのである。
ゆえに、まずは現状がどうなっているのか、つまり限界を示すことが必要だと考え、本イベントは企画されました。ひとり本屋がイベントを企画・運営するときの裏側はどうなっているのか。どこにどのようにどれだけの負担がかかり、関係するすべての人に対して自己犠牲や搾取を強いてしまっているのか。まずはそれをブラックボックスとしないことから、問題解決への道は開けるのではないでしょうか。
このイベントはダメ出しをする会というよりは、シンプルに状況を提示し理解する、そしてそれを共有することに重きを置きたいと思います(たとえばUDトークがどのように設定・運用されているか)。ここで語られるであろうさまざまな問題点は、決して「誰かひとり」で解決できるようなものではなく、さまざまな立場から関係を持つ者たちの共有知を必要とするものです。よりよいイベント運営とは、よりよい本屋とは、そしてよりよい場所/環境づくりとは、そういったことを考えたいみなさまの参加=協力をお待ちしています。>
この本の6章は「出版業界もまた差別/支配構造の中にある」です。店主は以前は出版社で長く働き、いま本屋に立ち位置を移して「痛み」の当事者となったことで、いかに当時の自分がこの問題に「気付かないでいられたか」を痛感しています。この6章の話を起点に、2章にある「本屋もクリエイターである」と捉えることで、本屋が差別/支配/搾取しない/されないための道筋を見出すべく、本屋イベントの運営の実例をお見せしながら、皆で「本屋の未来」を考えたく思います。
(※会場ご来場と、オンライン配信の両方で実施します)
〈関口竜平さん著書『ユートピアとしての本屋 暗闇のなかの確かな場所』(大月書店) 〉
https://porvenirbookstore.stores.jp/items/64786bb129196f002f2ca401
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●トークイベント 関口竜平「『搾取しない/されない本屋は可能か? ~本屋イベント運営から出版業界の構造問題を共に考える
・日時:2023年6月5日(月) 19:30~21:10(19:10開場)
・場所 ポルベニールブックストア(大船駅東口)およびオンライン
・出演 関口竜平さん(本屋lighthouse店主)
聞き手:金野典彦(ポルベニールブックストア)
※終了後にサイン会の時間を設けます(著書のご購入をお願いします)。
●お申込み方法
①会場ご来場、②オンライン視聴で、それぞれお申込み先が分かれます。
※参加費は、会場、オンラインとも1500円(税込)です。
① 会場ご来場の場合(開場19:10、定員12名、定員になり次第締め切ります)
お名前、ご参加人数、メールアドレスをご明記のうえ、タイトルを「6/5トークイベント申込」として、メールにて porvenirbookstore アット gmail.com (アットはアットマーク) あてにお申込み下さい。お電話または店頭でも承ります。定員になり次第締切ります。参加費は当日会場にてお支払い下さい。
② オンライン視聴の場合(「ZOOM」のウェビナーの使用予定。2週間のアーカイブ視聴も可能)
下記URLよりお申込み下さい。
→ https://porvenirbookstore.stores.jp/items/647bf15aa399070034d5f43a
ご購入が完了すると、視聴用のURLが記載されたPDFファイル1枚のダウンロードが可能になります。ファイルをダウンロードし、記載のリンク先よりオンライン配信でご覧ください。
●出演者プロフィール
■関口 竜平(せきぐち・りょうへい)
1993年2月26日生まれ。法政大学文学部英文学科、同大学院人文科学研究所英文学専攻(修士課程)修了ののち、本屋lighthouseを立ち上げる。将来の夢は首位打者(草野球)。特技は二度寝。
・本屋lighthouse
●ご来場のお客様へ マスク着用など感染防止対策についてのお願い
コロナ禍は終息した訳ではありません。当店では
・入口と奥の2ヶ所を常時解放し、十分な換気に努める
・最小限の人数で、席はお客さん同士の距離を広く保てるように配置する
などの、感染防止対策を取ります。
現在、マスクの着用は個人の判断とされていますが、高齢者もいらっしゃるお客様の健康と安全を考慮し、また店主に高齢者の身内がいて頻繁に病院に行く機会があり、コロナに感染する訳にはいかない状況下にあるので、原則、不織布以上の性能のマスク着用をお願いいたします。ご理解の程よろしくお願いいたします。
●お問合せ
ポルベニールブックストア TEL:0467-40-5102 E-mail:porvenirbookstore アット gmail.com (アットはアットマーク)
■ポルベニール ブックストア(Porvenir bookstore)
TEL/FAX : 0467-40-5102
E-mail: porvenirbookstore *アット gmail.com
※「*アット」を@(アットマーク)に置き換えて下さい