2023年度の、当店の販売冊数ランキングを集計しました(店頭、Webshop、出張販売、その他通販など全て含む)。

 

<2023年度 年間販売冊数ランキング・トップ20(2022年12月~2023年11月)>

・第1位 世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑 (ちくま文庫) 金井真紀/ 筑摩書房

・第2位 日本に住んでる世界のひと 金井真紀/大和書房

・第3位 宮田珠己単行本未収録エッセイ集 思わぬところからの素敵 宮田珠己

・第4位 反トランス差別ZINE われらはすでに共にある 反トランス差別ZINE編集部

・第5位 本屋、ひらく 本の雑誌編集部/本の雑誌社

・第6位 CINEMA TALK Vol.5 亀石みゆき

・第7位 国籍と遺書、兄への手紙: ルーツを巡る旅の先に 安田菜津紀/ヘウレーカ

・第8位 自由の丘に、小屋をつくる 川内有緒/新潮社

・第9位 新百姓 第0号 一般社団法人新百姓

・第10位 ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方 (ちくま文庫) 伊藤洋志/筑摩書房

・第11位 海の近くのおいしいもの vol.3 うみちかブックス

・第12位 私の好きな孤独 (潮文庫) 長田弘/潮出版社

・第13位 湘南モノレール全線開通50周年誌 湘南モノレール

・第14位 植物のふりした妖怪 村田あやこ・宮田珠己

・第15位 おてあげ 第1号 困ってる人文編集者の会

・第16位 自分をいかして生きる (ちくま文庫) 西村佳哲/筑摩書房

・第17位 空猫アラベラ アティ・シーヘンベーク・ファン・フーケロム/本作り空Sola 

・第18位 トランスジェンダー入門 (集英社新書) 周司あきら・高井ゆと里集英社

第19位 モノレールのたび (かがくのとも絵本)  みねおみつ/福音館書店

第20位 CINEMA TALK Vol.1 亀石みゆき 

 

今年は、より当店の独自性がはっきり出たランキングになりました。1位の『世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑』は、昨年に続いて2年連続の第1位。解説を店主が書かせて頂いているため「推し」は当然といえ、ユーモアがあって軽いのに深い、楽しいイラストが添えられて読みやすい内容が、今年も多くのお客さんから支持されました。

 

昨年に続き2度の「難民・移民フェス」に出店したことで、主催者でもある金井真紀さんの本がよく売れ、1位と2位に。2位の『日本に住んでる世界のひと』は、「難民・移民フェス」の開催のきっかけとなった本です。

 

また今年の大きな特徴としては、トップ20のうち半分の10点(3、4、6、9、11、13、14、15、17、20位)が、ISBNのないZINE・リトルプレス、またはISBNはあっても既存の取次流通を通さない、出版社(者)と直接取引によるものでした。当店に合ってこれはいける!と見込んだものにより注力した結果です。まとまった部数の直接取引は総じて書店のマージンも高いので、目利きをしっかり利かせて仕入れれば、利益も多く得られる。低い書店の利益率をカバーするには必然の戦略に積極的に取り組みました。

 

トランスジェンダーについて正しく理解し、トランス差別に立ち向かう知識を得られる本が2冊入ったのも、今年の特徴と言えるかもしれません。4位の『反トランス差別ZINE』は、その後8月に現代書館から『反トランス差別ブックレット』 として増補版が発売され、これも良く売れています。

 

10位と16位は、生き方・働き方に関するロングセラー。10位の『ナリワイをつくる』は、コロナ禍になってから売れ出して、この5年間で今年がいちばん売れました。16位の『自分をいかして生きる』 は、店主自身がこの店をやる前に読んで大いに影響を受けた本。2011年の本ですが、今でも読み返します。生き方・働き方は、自らに一生問い続けるものでしょうから。