■2022年 年末ご挨拶
大晦日も午後となり、2022年もあと数時間となりました。歳を重ねる程に、時間が過ぎるのがどんどん加速してるように感じられ、それを口に出すのも嫌になる程です。それくらい速い。
オープンから4年目の今年度も、コロナ禍に振り回された年となってしまいました。リアル開催のイベントも数回実施しましたが、コロナを気にしない訳にはいかないので、開催が少し及び腰だったかもしれません。
営業的なことに触れると、前年度から少しマイナスとなってしまいました。4年目ともなると、同じことをやっていてはお客さんも飽きて来て、あまり来なくなったり離れていくこともある。そうならないように打つべき手が、足りなかったかもしれません。
一方で良かったこともあって、今年は店の営業以外に、仕事の幅を拡げられた年でした。金井真紀さんの『世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑』の解説ほか幾つかの原稿執筆や、2度の「難民・移民フェス」への出店など、選書と情報発信、店の運営を続けて来た経験を生かし、新しい仕事のオファーを頂けるようになったのは喜ばしいです。
また個人的には、1月に入院して右膝半月板の手術をしたのですが、完治とはいなかいものの、かなり改善したことは大きいです。手術前は5分歩くと痛くて休まなければならなかったのが、普通に日常生活を送る分には、痛みを感じることはほぼなくなりました。痛みによって肉体的は勿論、精神的にもストレスが大きく行動が億劫になっていたのが、ストレスなく動けることで行動に積極性が芽生え、フットワークが良くなって来たことは大きいです。
今年は、命のことを考えることが多かったです。当店でのトークイベントでご来店するはずだった本の著者さんお二人(ケイン樹里安さん、松本智秋さん)が、病気で亡くられたことも大きなショックでした。直接、あるいはオンラインの画面越しに言葉を交わし、良きご縁を得たと思った私よりはるかに若い方が、彼岸に旅立たれてしまった...。
またロシアのウクライナ侵攻で、彼の地で多くの命が奪われ、今も戦争状態にある...人間はどうしてこうも愚かなのかと、己の無力さに頭を抱えてしまいます。でもこの店ができることは何だろうかと考え、3月以降は毎月売上に応じた額を、難民支援などの国際協力事業を行っているNPO団体に寄付させて頂いています。
来年は、店頭での本の販売に限らず、更に仕事の幅を拡げていきたいです。新刊販売による書店の粗利は少ないので、続けていける利益を確保するためにも、自分の手で仕事を創っていきたく思います。
本の力が落ちているとは全く思わないので、ならばうちに合う良き本をもっとしっかり広めるべく取り組むべし。当店を「本の世界の拡張表現のステージ」のようなイメージで捉え、著者さんや版元の方とアイデアを出し合って、従来の書店を枠を超えたことにも挑んでいきたく思います。来年もコロナの影響は避けられないでしょうが、やれることはきっとあるから。
今年一年、本当にありがとうございました。来年が良い年となりますように。