
■2023年 年末ご挨拶
まもなく終わろうとしている2023年は、命とケアについて深く考えた年となりました。
私事ですが、今年は年初から95歳の父親が病気で入退院を繰り返し、その対応で動いておりました。父は9月に亡くなりましたが、それまで医療や介護の現場に足を運ぶことが多く、病人はもちろん、家族、医者・看護師・介護士など現場で働くケアワーカーの人たちなど、誰にとってもケアはとても大事であることを体感し、ケアをテーマにしたイベントを実施するなど、その経験が店の仕事にもつながっていきました。
世界に目を向けると、本当に残念なことに、イスラエルによるバレスチナのガザへの攻撃により、2万人以上の命が奪われるというとんでもない虐殺が行われ、戦禍は今も続いています。ロシアによるウクライナ進攻も全く終わりが見えません。
そのような事態が続くと、ときに無力感に襲われ、自分は何もできないと立ち尽くしてしまうときもあります。狂気に満ちた世界の中、自身の精神状態を平穏に保つのは容易ではありません。
でもそんなときに自分を鼓舞してくれるのは、「誰もが生きやすい、”風通しの良い”世の中を目指す」を謳う当店の選書を信頼し、私が選んだ本を買ってくださるお客様の声です。ここから発せられる声は本当に小さいけど、無力じゃない。例え微力でも、声を集めて束ねれば大きな力になる。それを今年、お客さんに教えて貰いました。この店を続けてきて本当に良かった。支えてくれた皆様に改めて感謝申し上げます。
2018年11月のオープンから5年間、ほぼノンストップで走り続けて来ましたが、来年1月はちょっと小休止、7割方お休みする「休養月」といたします。仕事一辺倒でほとんど放置してきた「仕事以外の自分」のケアの期間とさせてください。
■2024年1月の「休養月」について
6年目の来年は、間違いなく大きな変化の年となると思います。1年後に振り帰ったら、今のポルベニールブックストアとは全然違っていてもおかしくないかもしれません。
何をしてもどう生きても命は有限で、ならばやれるときにやれるだけのことをやるまでーー今年学んだ最大のことです。命は本当に本当に大事、お互いケアしあいましょう。
今年一年、ありがとうございました。良い年をお迎えください。