■ポルベニールブックストアの営業を終え、この場所を継いで本屋をやってみたい方を「公募」します。※公募受付は4月末で終了しました

 

いつも当店のご利用ありがとうございます。

 

この度、2018年11月のオープンから約7年半続けてきたポルベニールブックストアの営業に区切りをつけることにいたしました。

 

新刊書店ほぼ一本での経営はなかなか厳しく、生計を立てることが難しいまま7年が経過し、このままでは...と思いながら気が付けば店主は今年で還暦を迎える年になりました。歳を重ね、自分の一生の中での次のフェーズが来たと感じるようになり、このままでいるより変化を求める意識が強まり、本来が旅人気質でじっとしてるより動いている方が性に合うこともあり、ここに留まるより動けるうちに動くことを決断し、このタイミングで次に向けて動くことにしました。

 

よって、この場所でのポルベニールブックストアの営業を終えようと思います。時期は6月いっぱいを目途に考えています(予定です)。※4/30追補。4/30現在、閉店時期は夏頃の予定としつつ現段階では未定に変更します。状況が変わり次第随時お知らせします。

 

ただ。

ここからもうひとつ、お知らせです。単に営業を終えるだけではなく、この場所から本屋がなくならないよう、私の後を受けてこの場所で本屋をやりたい人を「公募」します。

 

この大船の街で、近年、新刊書店がどんどんなくなっています。2年前の3月に駅ビルのルミネウィングの書店が、先月29日には駅ナカのJRが運営する書店が閉店し、大船駅の駅ビル・駅ナカから書店がなくなってしまいました。いま大船駅近辺の新刊書店は、西友6階の「くまざわ書店大船店」さんと当店の2店だけです。

 

一方で、ずっと規模縮小を続けているこの業界において、いわゆる独立(系)書店と言われる、主に個人経営の書店は増えています。神奈川県内でもここ数年でかなり増え、横浜で「本は港」という独立書店とひとり出版社、ZINEの作り手が出店するブックマーケットが昨年までに5度開催され、多くのお客さんで賑わっています。ならば今もこれから本屋をやってみたいと考えている人が結構いるのでは、と想像します。

 

そこで、この場所で本屋をやってみたい人を「公募」することにします。※公募受付は4月末で終了しました

 

この場所は、全く内装に何もない状態から私が借りてゼロから本屋仕様に作り上げた場所です。自分が一日のほとんどを過ごすので、なるべく自分もお客さんも快適でいられる環境を作ろうと、天然の杉材で床を張りました。天井も薄い天然板を張り、本棚も北欧の針葉樹材を使っていて、今のところ全く古びた感じはありません。レジカウンターも平台も大きな面陳台も、すべて天然木で大工さんに作ってもらいました。4台の平台と大きな面陳台はキャスター付きで、イベントなどでレイアウトを変えるときにすぐ動かせます。カウンター内のデスクの広さもあり、普通にデスクワークが可能です。店舗部分の広さは約10坪(間口約4m×奥行約8m)+備品類をしまうに充分な広さの2坪のバックヤードもあります。

 

通常、賃貸契約終了時には原状回復が原則なので、全て取っ払って何もない状態に戻さなければならないのですが、完全に本屋仕様に作り上げたこの内装を全て取っ払ってしまうのは正直あまりにもったいなく、また原状回復の工事にはお金もかかります。

 

そこで 不動産屋さん・ 大家さんに交渉して、本屋をやりたい人がいたら、そのままの状態で(いわゆる「居抜き」で)引き継げないかお願いをしたところ、ひとまずの了承を得ました。なので、手を挙げてくださる方がいれば、この場所をこの本屋仕様のまま、次の人に引き継ぐことが可能です。

(※注 不動産屋さん、大家さん、保証会社さんのの審査があり、正式な契約には審査をクリアする必要があります)

 

前提として、他の街ではなく、この大船の街「で」本屋をやる理由がある方が望ましいです。私がこの大船の街が気に入ってここを選び、大家さんも不動産屋さんも大船の方なので、この地に根付き、この地域の人のために尽くせる方を優先したいと思います。

 

また、基本的に私と入れ替わりですぐに自分で始めることができる方だとなお良く、そのような方がいなければ、ゆくゆくは自分でやってみたいと考えているけどいきなり全部自分でやるのは...というような方が全部自分でやれる状態になるまで(軌道に乗るまで)の一定期間、私が金銭的、実務的に全面的に支援/伴走することも考えられます。その場合、6月いっぱいでの閉店ではなく、しばらくは私が借りて続けることもあります(応相談)。※4/30追補。4/30現在、後継の方がすぐ決まりそうな状況にはないため、閉店時期は夏頃の予定としつつ現段階では未定とします。状況が変わり次第随時お知らせします。

 

私の今後ですが、この7年半はほぼ本屋仕事中心の生活で、「私」の時間が少なすぎたので、仕事の時間を少し減らして「私」の時間を充実させることを大事にしながら、本に関するかどうかには拘らず、まず生計を立てることを最優先に、次に向けて動きます。

 

ただ、 版元の営業と書店主と、2つの立ち位置で長年本の仕事を最前線でやってきた人間はほとんどいないと思いますので、この経験を還元できないかな、と思います。この経験を生かせる場を与えて頂けるのであればありがたく、私に興味を持たれた方がいらっしゃったらお声掛けをお願いしたいです。「経営者」というより「経験豊富な本の仕事のいちプレイヤー」として評価して頂けたらありがたいです。

 

いいお客さん、著者・翻訳者・編集者さん、出版社やお取引先の方とのご縁に恵まれ、大船で本屋をここまでやってきて良かったと心底思えます。経営は厳しかったでしたが、お金では計りきれない善きものを皆さんから与えて頂きました。ここまで当店を支えてくださったことに、心より感謝申し上げます。淋しい思いもありますが、物事にはどこかで必ず終わりがあるもの、(できたら)ここを次の人に託して前に進みたいと思います。

 

ポルベニールの名前は個人レーベルとして残し、私個人の「メディア」として発信を続けていくつもりです。

 

契約のことがありますので、やってみたいと思われた方は、4/29(水)までにメールでお知らせください(※当初より1日早めました)。詳しいことをお伝えします。すぐには決断できないけど、いつかは...と漠然と考えている状態でも構いませんので、まずはご連絡ください。上手く引き継げるよう、協力は惜しみません。この大船の街でゼロから作りここまで本屋として育ててきた場所を、絶やさずに次の人に託したい私の思いを汲んで手を挙げてくださる方が現れますように...。

 

ご質問がありましたら、お気軽にお問合せください(できたらメールで)。ご自身が対象ではなくても、当店がここを引き継いでくださる方を募集していること、店主が経験を生かせる次の場を望んでいることを、知人、友人、仕事でお付き合いのある方などに広くお知らせ頂けたら幸いです。

 

もちろん、営業を終える日までしっかり本屋をやります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

 2026年4月24日

ポルベニールブックストア 店主 金野 典彦